- カナダの好きなところを教えてください。
- カナダにはいつ、どんなきっかけで来ましたか。
- カナダに住んでいて一番大変だったことを教えてください。
- あなたのモットーを教えてください。
- 現在、モデラ―としてお仕事をされていますが、そのお仕事を始めたきっかけを教えてください。
- カナダで、インターンに採用された理由、採用や契約延長の決め手になった理由は何だと思いますか。
- (カナダで)仕事をする際に、気を付けていることはありますか?
- 仕事に関して、日本とは違うなと思う部分はありますか?
- 専門職、手に職を持っていても英語について難しいなと思うことがありますか。それはどんなときですか?
- 海外で仕事を得たい方へのアドバイスをお願いします。
- Mokaさんが経営されているショップ、Vilku Vilkaについて教えてください。
- 最後に、Vilku Vilkaを起ち上げたときの想いを教えてください。
- Editor’s Comment
カナダの好きなところを教えてください。
カナダにいると、ちゃらんぽらんな私でもいいのかなって思わせてくれるこの気軽さが好きです。日本は何事にも厳しいですよね。カナダに来てから、日本にいてしっかり過ごしてることに自分がストレスを感じていることに気づきました。無理をしなくていいのだと心から感じ、それがとても心地よいです。ここでは、仕事でも上司とも上下関係や年齢を気にせずフラットな関係が築けるのが良いですよね。
カナダにはいつ、どんなきっかけで来ましたか。
2009年にワーキングホリデーで来ました。3Dモデラ―としてアニメーションの会社で働いていたのですが、上司にワーキングホリデーにもう行けなくなるぞ、どこでもいいから1年間行ってこい!、と言われたのがきっかけです。海外の大学に行きたいと考えていた時期もあったことを思い出しました。
オーストラリアかカナダを考えていたのですが、2010年にオリンピックがあるということでバンクーバーを選びました。留学カウンセラーに1か月半英語を学び、1か月半インターンをする学校を勧められ、ガスタウンビジネスカレッジに通いました。学校では、電話の仕方などビジネス英語を学び、実践として電話をかけてインターン先を探しました。今働いている会社がインターンとして受け入れてくれ、そこからワークを出してもらい2年働き、永住権を得ました。
カナダに住んでいて一番大変だったことを教えてください。
夫に振り回される予想のつかない生活です。笑
というのは冗談で、言葉の壁、文化の違いもあり、日本語で話せる友達とは素の自分をわかってもらえても、英語でうまく表現できなかったり、相手の表現をきちんと理解できていなかったり、なかなか本来の私を良い意味でも悪い意味でも分かってもらえていないことです。
正直、決してそんなタイプの人間ではないのですが、こちらではきっと大人しい人と思われていると思います。(笑)例えば、日本語でならボケたり突っ込んだりできる場面でも良いタイミングで言葉が出ない、英語で会話をしていると途中で自分の言っていること言いたいことがよくわからなくなってしまう、英語で言い負かせられない(笑)など。これは何年いれば突破できるのか分かりません。
あなたのモットーを教えてください。
「流れる水は腐らない」です。動き続けていれば、腐らない。綺麗な水のようでありたい、イキイキしていたいので、心がけています。
現在、モデラ―としてお仕事をされていますが、そのお仕事を始めたきっかけを教えてください。
大学卒業後、テレビ局に雇用され働いていたのですが、勉強のためにスタジオジブリで3年間仕事をする機会をいただきました。そこで学んだ後、テレビ局でCG関連のビデオエンジニアの仕事をしていたのですが、自分がやりたいアニメーションの仕事をしたいと思うようになりました。それを周りに話してたところそれならうちにこないかと声をかけてもらい転職しました。お給料は3分の1になりましたがとても楽しかったです。大きな会社で働くことが向いていないんだと気づくきっかけにもなりました。
モカさんが、映像の専門情報サイトCG Worldにインタビューされたときの記事はこちら。
モカさんの代表作はこちら。
カナダで、インターンに採用された理由、採用や契約延長の決め手になった理由は何だと思いますか。
正直なところは、ただラッキーだっただけです。あえて言うなら、最初にインターンの機会を得られたのは運が良かったというのがあります。電話で応えてくれたHR担当の奥さんが日本人で非常に親日家でした。
カナダに来て働き始めた当時は仕事以外にすることもなく、まだワーカホリックの日本の文化が身に付いていたこともあり、日本では当たり前のように真面目に働いていました。6時の終業後も、もう少しここまでやりたいな!と思ってやっていると周りに目を丸くしてなんでまだ働いているのか、残業しないといけないのか、早く帰りなさいと驚かれました。
多分勤勉に働いてるなという態度(日本では極めて普通の勤務態度)が契約延長につながったのかなと思います。 笑
(カナダで)仕事をする際に、気を付けていることはありますか?
英語を喋るときはなるべく大きい声ではっきりと話すようにしています。ただでさえ自信のないおかしな英語なので、せめて大きい声で相手の人に聞き取ってもらえるようにしないとと思っています。雑談の時などは多少わからなくても聞き流してしまうのですが、自分のタスクに関することはきちんと理解して間違ったことをしてしまわないように恥を忍んで、何度も聞き返すか文章にして送ってもらうようにしています。
仕事に関して、日本とは違うなと思う部分はありますか?
日本の大企業に馴染めなかった社会不適合者の私でも(笑)、受け入れてもらえる受容の大きい職場環境です。職業柄というのもあるのかもしれませんが、”職場で振る舞わなければいけない(頑張らないといけない)”態度というものもありません。もちろん求められた仕事はこなさないといけないですし、それに応じたコミュニケーション力も必要です。ですが、とにかく素の自分でいられるのは助かります。
当たり前のことですが、ランチや飲み会も自分が行きたければ行けばいいし、行きたくなければNOと言えることがいいなと思います。それに、仕事第一、何より優先という人がほとんどいません。どちらかというと家族やレジャー優先、そのために働くというスタンスの人が多いです。
誰もがLife -Workバランスをきちんと取っている、それが当たり前に受け入れてもらえる環境です。ちなみに6時には職場にほとんど人が残っていません。カナダに来て、仕事後に習い事をしたり趣味の時間が取れたり、Quality of Lifeはとても上がったと感じます。また、職場で男尊女卑的なことを感じたことも全くありません。
専門職、手に職を持っていても英語について難しいなと思うことがありますか。それはどんなときですか?
英語はいまだに課題です。専門職であるお陰で未だにそんなに英語はできなくても仕事は続けられていますが、少し耳が悪いものでとにかく聞き取れない(日本語でも聞き取れない)。ミーティングなどで多数の人が一気に喋られるとちゃんと聞いていないといけないと思いつつお経を聴いている気分で眠くなってしまうこともあります。(笑)
最近は、ミーティングもオンラインになりさらに聞き取りにくいことが多くボリューム最大にして頑張って聞いています。カナダはESLの人も多くとりあえずカタコトでも理解してもらえるので、きちんとした英語を話せなくてもなんとかなってしまいます。そのおかげもあってなかなか上達しません。ですが、パンデミックで仕事を失いかけたことでやはりLeadやSuperviserのような職につける実力がないといけないなと思うようになり、それなりに英語を話せないといけないと痛感している今日このごろです。
海外で仕事を得たい方へのアドバイスをお願いします。
同業者の若い子にアドバイスを求められたときに答えるのは、「面接で大きい声で喋ること”、”質問の意味がわからない時は恐れずCan you repeat again?やCan you rephrase it?もしくは “Does it mean XXXX?”と聞いてみることです。英語はそれなりに喋れるのだな、少なくともコミュニケーションは取れるという印象を与えます」と伝えています。
日本人は流暢な英語を喋れず、日本語アクセントが強いとそれだけで声が小さくなり自信なさそうに見えてしまいます。きちんと仕事はできるのに不採用ということになりがちで、本当にもったいないです。ひたすらカタコトの英語を喋り続けるアクセントの強い外国人を見習えと冗談で言ってます。そして、はったりでも面接さえ通ってしまえば仕事は何とかなるものです。
最後に、カナダではコネのあるなしが非常に強いので、就きたい職があるのであればその職にかかわる人と積極的に関わるようにしたほうがチャンスが得られると思います。
Mokaさんが経営されているショップ、Vilku Vilkaについて教えてください。
一番初めにラトビアに行ったのがちょうどクリスマス時期で、その時に初めて蜜蝋キャンドルに出会いました。私は、何かを手で作るのが好きなので、カナダに帰ってきてから、自分でも作ろうと塊を買って作り始めました。だんだん、蜜蝋キャンドルを自分の型でできたら嬉しいなと思い、自分で好きな型を作ってお友達にあげたりするようになりました。また、ラトビアは、手工芸の国で、物がとてもがかわいいんです。2016年、蜜蝋キャンドルやラトビアの物を販売する会社Vilku Vilkaを起ち上げました。
やりたいと思って、それをやっていくプロセスが好きなんです。やろうと思ったら考えず動くタイプなんだと思います。
最後に、Vilku Vilkaを起ち上げたときの想いを教えてください。
私は、自分の大好きなクラフト(キャンドル作り)とラトビア雑貨に囲まれて暮らす、夫のカフェバーレストラン的なものを経営したいという両方を叶えるべく立ち上げた共同ビジネスです。経営素人の私たちなものでいまだ試行錯誤だし、ビジネスプラン模索中です。ビジネスって難しいです。
2年前に子供が生まれてからは少しプライオリティーを下げており、なかなか時間も思うように取れずもどかしい気持ちもありますが、子供がこんなにも自分を必要としてくれる可愛い時期は今しかないと思うので大切に過ごしています。今の時点では、商品を欲しいと言ってくださるお客さまに迷惑のかからない程度に運営しています。
流れる水は腐らないのモットーのもと、せっかく立ち上げたビジネスなので長くゆるく色々な形を試しながら、いつか結果オーライになることを夢見てがんばります。
ウェブサイトはこちら:VILKU VILKA CRAFTS
Editor’s Comment
なぜかそうなってしまったエピソードでいっぱいの、とにかく笑いが止まらないインタビュー時間でした。モデラ―の仕事を始めたきっかけ、カナダに来ることになった経緯などを「なんだかそうなっちゃったんです。」と笑いながら話すモカさんでしたが、自分で意図して、自分で決めて、「流れる水は腐らない」ごとく前に動き進んでいるからこそ「そうなっちゃった」のだと感じました。飾らずあっけらかんと自分をさらけ出すモカさんは、とても魅力的で話せばみんなが好きになってしまうような人間力を持つ素敵な女性です。有能な若い人たちが増えてくる中、いつまで自分が第一線で仕事が出来るのか分からないという厳しい業界のようですが、流れる水のごとく次のライフステージ、キャリアステージへとますます邁進されていかれることでしょう。次のなんでかそうなっちゃうエピソードを聞かせてもらうのが楽しみです。