カナダで頑張る日本人女性

カナダで頑張る日本人女性 Vol. 7 Hanae Chikuda

カナダの好きなところを教えてください。

多民族国家だからか、自由な感じがします。性別や年齢による固定概念が少ないところが過ごしやすい。

当たり前が違うのかな? 例えば、フォーマルウェアーって書いてるのに、ジーンズ履いて来たり(笑)当たり前って、国、もっと言えば個人によって違うから、その枠がもっと広いんだと思います。許容範囲が広い。そこが私にとっては生きやすいです。

夏には毎年訪れる、Gabriola Island。
Gabriola Islandにて。友人との楽しい時間。

いつからカナダに住んでいますか?また、来た理由を教えてください。

2006年の5月に友達二人とワーキングホリデー制度を使って来加しました。今年で15年目。

理由は、語学や異文化を学ぶ為に、外国に行きたかったからです。

この15年間どんな事をしてきましたか?

ワーホリで来て、英語ゼロの状態でDonald Marketと言うスーパーで働き始めました。本当にゼロ(笑)キャッシャーだったけど、How are you?じゃなくて、How is your life?って変化球の質問がくるだけで、ドキーッ!!ってして、返答に困ってアタフタ。。ぐらいのレベルでした。

1年間で帰る予定だったけど、働いてみると、やった分だけ返ってくるカナダの働き方に日本より可能性を感じ、残る事にします。あと、みんな仕事の為に生きてない!そこが共感できた事も理由の一つです。

PRカードを取る為には手に職が必要!と思い、数学が得意だし、デスクワークより体を動かす仕事の方が良かったので、2007年からVancouver Community CollageでHevry Duty Mechanic(ELTT)のコースを取ることにしました。

ココから二年間、学校に通いながら仕事もして、辛かった。。。。

学校が終了しても、PRがないので仕事がもらえず、Donald Marketでマネージャーとして働いた後、2012年やっとPRカードが取れました。

Work ExperienceとしてTrans Linkで働かせてもらった事が功を奏して、今はTrans LinkでMechanicとして働いて8年目。週4日勤務で楽しく仕事をしています。

ここにきて一番辛かった事を教えてください。また、そこから何を学びましたか?

Job Offer があったのに、PRカードがなかった事で諦めないといけなかった時。

自分で決めた事で、分かっていた事だけど、移民だからこその状況に立たされた時、何とも言えないもどかしさ、不公平さを感じました。いつもらえるか分からないPRカードの為に、せっかく取ったMechanicとしての仕事をせず、Donald Marketで働いていた時、もう夢は途絶えると思った。

今思い返せば、その時の優先順位はPRカードを取る事だったから、Donald Marketで働かせてもらえた事は正しい選択だったと思える。二年間Mechanicとしては働けなかったけど、あきらめなかった!

学んだ事。諦めなければ、どうにかなる!

今何をしていますか?

Trans LinkでMechanicとしてバスの点検・修理をしています。会社の中で女性は全体の1.5%とマイノリティー。まして移民で女性でMechanicしてるのは私だけ。職場環境には恵まれています。同僚はいい人ばかり。って言うか、いい人にだけ目を向けるようにしています。

職場の同僚と。

何をするのが好きですか?又、今後やりたい事はありますか?

週四日キッチリ働いて、休みの日は友達と過ごしたり、植物のお世話をしたりと、その時やりたい事をするのが好き。何もしたくなければ、何もしない。。。。

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自宅にある植物達。
お世話をするのも、眺めるのも好き。


今の仕事は好きなので、続けていきたいです。

今後はマネージャー業に挑戦したいと思っています。Mechanicと言うまだまだ男性中心の世界で女性が働くことの意味は、世の中に可能性を見せることにあると思っています。職場の中でもマイノリティー中のマイノリティーである私だから、管理職になることで誰かを勇気づける事もできるはず。そう思っています。

英語ゼロからのスタートだった自分にもできたんだから、誰でもできる。要はやるか、やらないか。できるか、できないかじゃない。と思っています。やりたい事ならただやるだけ。本当はとってもシンプル。

あなたの信条やモットーを教えてください。

”なんくるないさー”(なんとかなるさ)

楽しいことだけ、やりたい事だけ全力でする。(笑) やってみたら案外どうにかなるものだと思っています。

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好きな場所。Gabriola Island。

編集者より

華絵さんとのインタビューの中で出てきたキーワードとも言える言葉。。

やりたい事をやる!その言葉には気負いがなく、とても正直な気持ちが伝わってきました。目的をはっきり持って、目の前にあるやれる事に集中。そうしたらいつの間にかやりたい事ができていたと彼女は言いますが、その姿勢は俗に言う根性や執着と言ったズッシリ重い気持ちとは違い、目の前のタスクをただやる。というような、淡々とした軽やかさを感じました。物事をシンプルに捉えていく。とは、こういう事なのかもしれません。不可能に思える目標も細かく砕いて工程を細分化してみれば、意外とできる。

彼女のモットーである”なんくるないさー”とは沖縄の方言で「なんとかなる。」という意味です。

”何の行動もしてないけど、まぁなんとかなる。”ではなくて、”やれ事は全部やったんだから、後はどうにかなる。”が本来の意味だそう。まさに彼女にピッタリの言葉だと感じました。

自分の快適さを軸にして、今を大切に生きている華絵さん。その雰囲気はとても穏やかで、一緒にいると私まで華絵モードに切り替わるようです。(笑)

近い将来、Trans Linkで日本人女性マネージャーが誕生する日を楽しみにしてます。

なんくるないさぁ~。