- カナダのどんな所が好きですか?
- いつからカナダに住んでいますか?来た理由を教えてください。
- 世界一周旅行をされたんですね。なぜ世界一周をしようと思ったのですか。
- どんな旅程で周られたのですか。
- 印象に残った国などありますか。
- 旅行中のハプニングなどはありましたか。
- 旅を通して感じたことがあれば教えてください。
- バンクーバーに移住してからのことを教えてください。
- Aiさんは、agnitというアクセサリーの販売をされています。agnitについて教えてください。
- agnitのアクセサリーはどこで購入できますか。
- 今後のagnitについて思うこと。
- Aiさんは、普段留学アドバイザーとして働かれています。
- 何をするのが好きですか?
- 今後やりたい事はありますか?
- カナダにきて辛かった経験があれば教えてください。
- 最後に、海外に行きたい、働きたいと思っている方にメッセージをお願いします。
- あとがき
カナダのどんな所が好きですか?
医療や物価の問題はあるものの、私はカナダが好きです。
変な言い方をすると、カナダの期待値の低さのおかげで気楽に過ごせている気がします。私の出身地である東京は魅力的な街で、何でも手に入り、細かなサービスが行き届いていて便利です。しかし、その分何でもありすぎてしまい、ものもサービスも、人が求めるものも過剰で過敏な状態になっていると感じます。例えば、100円ショップもそうですね。便利な商品がたくさん揃っていますが、無くてもどうにかなる商品も多いと感じます。24時間開いているお店やサービスなど、細かなニーズに応えるサービスもたくさん存在します。その細かなニーズに答えること、突き詰める姿勢はある意味「日本の力」とも言えるので素晴らしいことですし、それ自体を悪としている訳ではないのですが、カナダでは公共交通機関が遅れたり、少々サービスが不便でも「仕方がない」と受け止められたり、店員さんがお客さんと話ながらレジ打ちしていても誰も文句を言いません。カナダの様に期待値を下げて、相手に対しても自分自身に対してもプレッシャーを感じずに過ごせる方が、自由な気持ちでいられる気がします。
また、バンクーバーは自然と都会のバランスが絶妙だと思います。私は世界を旅してきた中で、バンクーバーのような街は少ないのではないかと感じます。日常生活で都会的な部分の恩恵を受けながらも、仕事後に公園でピクニックを楽しんだり、ビーチに行ったりして自然を感じることもできるのは他の街ではなかなかできない贅沢なことだと感じます。
いつからカナダに住んでいますか?来た理由を教えてください。
20歳の時、英語学習のために専門学校のプログラムを利用してバンクーバーに短期留学しました。当時のバンクーバーは特に特別な印象はありませんでしたが、嫌いではありませんでした。
2017年には世界一周旅行をして多くの国を訪れる中で、どこかの国に定住したいという思いが芽生えました。旅の途中で出会った友人がバンクーバーに住んでいたことがきっかけで、再度バンクーバーに訪れてワーキングホリデーを利用し、その後ワークビザに切り替えて永住権(PR)を取得しました。

世界一周旅行をされたんですね。なぜ世界一周をしようと思ったのですか。
海外での経験を考えていたため、就職後は一貫して貯金に努めてきました。世界一周をしている人のブログを読んでいるうちに、1年間で150万〜200万円で世界一周が実現できることを知りました。この旅は若いうちにしかできないと考え、自分の体力があるうちに挑戦することを決めました。

どんな旅程で周られたのですか。
14か月で32か国を周りました。アメリカ、中南米に始まり、ヨーロッパへ移動し、モロッコからアフリカ大陸東側を南下しました。南アフリカからトルコに飛び、イランを旅しました。日本に帰国しないと行けなくなり、アジアを周りませんでした。

印象に残った国などありますか。

どの国も素晴らしい経験で楽しかったのですが、特に印象的だったのはモロッコやイランなど、テレビでしか見ないような国々でした。実際にその国々の文化に触れることで、ニュースで得たイメージとは大きく異なることに気づきました。人々はとてもフレンドリーで親切であり、私に対してジュースをおごってくれたり、食べ物を分けてくれたり、一緒に写真を撮ろうと提案してくれたりと、心温まる経験がたくさんありました。
アフリカは移動が長くなったり、バスの時間が予想とは異なることがあったり、国境でバスを逃してしまったりと、ハチャメチャな出来事もありましたが、それがまた旅の面白さを引き立てました。


旅行中のハプニングなどはありましたか。

グァテマラでデング熱にかかってしまい、1か月くらい体調不良で寝込んでしまいました。インフルエンザや他の病気と比べて一番きつかった病気でした。あまりにも長引いたので現地の病衣に入院をしたのですが、日本では病院でおかゆなどが出てくるかと思うのですが、トルティーヤが出てきてとてもじゃないけど食べられないと思いました。
アルゼンチンとブラジルでは少し怖い思いをしましたが、犯罪に巻き込まれたり事故にあったりすることはありませんでした。
ハプニングではないのですが、イランに行った事が理由でアメリカに入国するときにビザが必要だったり別室に呼ばれたりとても面倒くさくなってしまいましたが、イランはとても良い国でした。

旅を通して感じたことがあれば教えてください。
旅は本当に素晴らしい経験でとなりました。さまざまな人々と出会い、異なる価値観に触れることができ、多様な文化を知ることができました。バックパッカー仲間との交流もとても良く、一緒に旅をしたり情報を共有したりしました。今でも彼らとは親しい関係を保っています。
特にジョージアでの誕生日は忘れられない思い出です。パン屋さんでパンを買おうとしていたとき、知らないおじさんが私にパンをプレゼントしてくれました。彼は私が誕生日だと知るわけがありませんでした。この経験から、私自身も心の余裕を持って優しさを忘れずにいたいという気持ちが生まれました。

バンクーバーに移住してからのことを教えてください。
2017年にバンクーバーに到着してから、私はマッサージ師として働きました。その後、セカンドワーホリの期間中に留学サポート会社で働く機会を得て、現在も続けています。パンデミック中は、留学生や外国人が入国できなかったために困難な状況でした。しかし、オーストラリアが長期間の鎖国を行っていたため、多くの人々がカナダに移住してきました。また、親子留学を希望する方々の数も増えたように感じます。日本の将来に不安を抱く人々が増えており、多様な選択肢を求める方々も増えているのではないかと思います。
Aiさんは、agnitというアクセサリーの販売をされています。agnitについて教えてください。
gnitという活動を始めてから早11年が経ちます。アクセサリー作りの友人から技術を学び、楽しく制作することが増えたことがきっかけでした。作品の数が増えるにつれて、自分の作品を他の人に見てもらいたいという思いが芽生えました。友人と共に東京で個展を開催し、その後、3人でAgnitを始めました。現在は、私を含む3人がそれぞれ台湾、東京、バンクーバーで作品を販売しています。
agnitという名前は、私たち3人の名前を組み合わせたものであり、「All Girls need treasure.(すべての女の子には宝物が必要)」という言葉の頭文字を取っています。しかし、今ではジェンダーにとらわれず、誰でも自由に身につけて楽しんでほしいという思いがあります。

agnitのアクセサリーはどこで購入できますか。

バンクーバーでは、Japan Marketをはじめとするさまざまなイベントでアクセサリーの販売を行っています。
最初はRobson Streetで路上販売を試してみたところ、意外なほどの売れ行きがありました。それをきっかけに、さまざまなイベントに参加して販売をすることにしました。最初に参加したNikkei Centreのクラフトフェアでは、ディスプレイの仕方やカナダ人の好みについて全く理解していなかったため、一つも売れなかったことにびっくりしましたが、今となっては貴重な経験となっています。
agnitのインスタグラムはこちら→
今後のagnitについて思うこと。
自分が飽きない限りは続けたいなと思う一方で、ゴミが増えてきていて、環境保護的な視点から、物を作るということはゴミを増やすということでもあると違和感を覚えるようになりました。最近は、14金やステンレススティールを取り入れることで長く使えるようにしたり、細かく切ったサランラップをレジンの中にいれて作品にしてみたり、作風も変わってきています。使用したプラスティックはゴミにならないし、レジンの使用量が減ります。なるべく環境汚染にならないように意識して作るようになりました。過去に販売した作品が壊れたら修理を受け付けたり、買って要らなくなった物を引き取ってばらして作り替えたりすることも良いのかなと考えるようになりました。



Aiさんは、普段留学アドバイザーとして働かれています。
留学サポートのお仕事も充実しています。感謝をされる仕事です。高校生のクライエントであれば長期間での成長が見られるのが嬉しいです。
何をするのが好きですか?
夏は芝生に寝転がったり、ビーチでぼーっとしたりすることが好きです。それをしたくてみんなしたくて働いているのだと思いますが、ここではそれが日常にあることが好きです。
アクセサリー作りが好きです。空いてる時間って結構いっぱいあるけれど、携帯をいじったり、何か他のことをしたりしてしまうことが多かったのですが、もくもくとモノづくりをしている時間はきちんと自分と向き合える時間になっています。仕事のことを考えたり、今後どうしていきたいかを考えたりを考えたり、メディテーションのような心安らぐ時間です。そして、作り上げた物を並べると達成感が湧き、肯定感もあがります。

今後やりたい事はありますか?
好きで続けているアクセサリー作りですが、自身の信念に関して迷いが生じてきました。そこで、シーグラスやマイクロプラスチックを使用したアクセサリーを制作している方々に自分のジレンマを相談してみました。彼らからは、自分の信念が何処にあるかを大切にすることが重要であるというアドバイスをいただきました。自分がどのような方向性を持ちたいのか、どのような気持ちを持っているのかということを強く意識し、自分自身に合った道を見つけていくことが良いのではないかと思っています。
また、現在はIT分野に興味を持って学ぶことに関心があります。パンデミックの影響で、自身の強みを持つことの重要性を痛感しました。将来に備えるために、複数のスキルを身につけておくことが必要だと感じています。自分自身がいくつかの武器を持っている状態になることを目指したいです。

カナダにきて辛かった経験があれば教えてください。
これを乗り越えるのに苦労したとか経験したことが無いというより、あっても気にしないのかと思います。考え過ぎても解決には繋がらないことを理解しているからです。何かが起きてもその時の自分がどうにか対処すると信じてます。

最後に、海外に行きたい、働きたいと思っている方にメッセージをお願いします。
人生一度きりなのでやりたい気持ちがあれば絶対にやった方が良いと思います。「自分」がやりたいなと思うことはやった方が良い。カナダから帰ってきて就職をどうしようとか色々悩んでしまうかもしれませんが、結局人生どうにかなるんです。年齢に関係なくやれることだと思いますが、人生って体力や健康面にどうしても限りがあると思うのでやりたいと思ったときがその時だと思います。
良く言われるセリフですが、「やった後悔よりやらない後悔」です。勇気を振り絞って一歩踏み出して欲しいです。

あとがき
Aiさんに出会ったのは、私たちが初めて出店したバンクーバーのMade in 604イベント。彼女の洗練されたアクセサリーと気さくに話しをしてくれるAiさんに一目ぼれ。
Aiさんの世界一周旅の話しはとても魅力的で、もっともっといろいろな場所を訪れてみたくなった。そして、大変なことを大変と思わないと語るAiさん。それは流れに身を任せるという意味でもあり、簡単なようでなかなか出来ることではない。Aiさんは、今、新しいステージに向かっているような気がした。彼女が自分自身のスタイルやビジョンに合わせて進化し、独自の道を切り開いてきたように、彼女の環境を重視し、物を大切にするという思いに沿った新しい作品が生まれることだろう。
追記:Aiさんはこの夏、ニューウェストミンスターのVHS市場やパウエルフェスティバルに出店するそうです。好みに合った素敵なジュエリーを見つけにぜひ訪ねてみてください。