カナダで頑張る日本人女性

カナダで頑張る日本人女性 Vol.13 Naomi Anju

カナダのどんな所が好きですか?

ひとの目を気にしなくて良い所。

しきたりや、他人からの見えない期待、性別による隔たりが日本に比べたらなくて、個々が尊重されていて、自由である事が認められている感じがする所がいいですね。

あと、実感として、性別に関係なくチャンスが平等にあると思ってます。そこもいいですね。

いつからCanadaに住んでいますか?来た理由も教えてください。

2004年にVisitorとして来たのが最初です。その時は半年滞在しました。バンクーバーの美しい春と夏を経験して、住む決意を固めたのを覚えています。「めっちゃ綺麗で住みやすい!」のは当然で、Raincouverを知らずに、一旦帰国。お金を貯めて,再加しました。

日本ではTOMORROWLANDというアパレル会社で営業として働いていました。とてもやりがいがあり、大好きな仕事だったのですが、働きすぎで体を壊したりしたこともあり、このままこの生活を続けたいか考えていました。人生を変えたかった。

海外で生活してみるっていうのもありかなっと思ったんです。

カナダに来てからどんな事をしてきましたか?

まずビジネスカレッジに通い国際貿易(FITT)を専攻しました。そこで*Co-op Visaを取得して、Banana RepublicでSales clarkとして働きました。その後、カウンセラー兼マネージャーとしてESLで2年半働き*BCPNPをサポートしてもらいました。永住権取得後、しばらくESLでの仕事は続けましたが、自分の感性を使ったクリエイティブな仕事ができるファッション業界に戻りたくなり退職。

自分でビジネスをやってみようと思い、カナダのブランドの服を日本に卸すエージェントの仕事を始めましたが、うまくいかず、6か月で断念。この時、お客さんは近くに居なくてはいけない、関係性を築かないとうまくいかないと痛感。

その後、縁あって、Mavi Jeansに就職。Retail Operation Managerの仕事まですることができて、Buyingのやり方やマネージャーとしての店の運営、英語でのお客さんとの会話術も学べました。Mavi Jeansでは5年働きました。扱う商品がジーンズだったこともあり、もっとFashionや雑貨を扱う仕事がしたいと思い、次の就職先を探しましたが、やりたい就職先が見つからず、自分でビジネスをすることを決意。

2013年、ビジネスライセンスを取得して、Branches&Knotsが誕生。

初めは自分の家のLiving RoomでのPop-up Shopからのスタートでした。でもすごく人気になって、良く売れてました(笑) 翌年12月にBroadwayにある今の場所で期間限定のPop-up shopをしたんですが、この場所を気に入ってしまって、店舗契約を交わして、現在に至っています。

*[Co-op Visa]~カナダ政府から認定を受けた学校で職業体験(有給インターンシップ)付きのプログラムを履修する際に取得することができる、年齢制限なしの学生ビザです。コース期間のうち、就学と就労が半分ずつで構成されていまし。

*[BCPNP]~British Colombia Provincial Nominee Programの略。州政府が連邦政府に永住権申請者を推薦(Nominate: ノミネート)することができる制度。

カナダにきて一番辛かった事は何ですか?そこから何を学びましたか?

もうこれは、、、コロナが始まった最初の時期です。

経営者として本当に辛かった。このコロナで一番ダメージをうけたのはSmall Businessのオーナー達だと思います。多額の債務が発生して、店がつぶれると初めて本気で思いました。このストレスは大きくて、身体に蕁麻疹が出てしまうほど。

スタッフをLay-offした後は、店に一人で立つ日々が続きました。お客さんは来ない。。Wholesaleもやっているのでオーダーしてもらった在庫は引き取ってもらえないまま山のように天井まで積み上げられている状態でした。今自分にできることは何かと考えて、今まであったけど、そこまで力を入れてなかったオンラインショッピングのサイトを作り直し、オンラインで買い物しやすいように、見え方を整えたりと手を加えていきました。それによって今は以前の2倍~3倍の売り上げに上がりました。

この状況から学んだことは、人との関りが何より大事だという事。助けて協力してくれた人が居たから今がある。そして、どんな状況でもやれることはある。

よき理解者でもある、最愛のCoCo。

2013年に立ち上げたBranches&Knotsについて教えてください。

自宅のリビングルームから始まった小さなshopが、2014年12月のPop-up shopを経て、コロナの時期も何とか乗り越え、今年の12月で8年を迎えます。

日本の商品を主に扱うお店としてスタートしましたが、現在はそれに加えてローカルデザイナーやバンクーバーに住む日本人が作っている商品、環境に配慮しつつデザインも素敵な商品を取り扱っています。現在取引先はローカルからモントリオール、ヨーロッパ、日本と多岐に渡っています。

スタート当時から変わらず、Distoributorとしてカナダに広めて行きたい商品は日本野鳥の会(WBSJ)のレインブーツです。

過去の経験から、Retailだけじゃなくて、Wholesaleもしたいと思って商品を探している時、ネットで見つけて「これだ!」と惚れ込みました。初めは海外に卸はしていないと断られましたが3度目のラブコールで相手が根負けしてくれました(笑)

WBSJ(日本野鳥の会)のレインブーツ。軽くて、履きやすい。

Forwarderの手配から書類作成まで全て私がしました。相手はそれに必要事項を記入して発送すれば良いだけ。そうしてまでも取引したいと思いました。

今でもこのレインブーツはこの店の主力アイテムで私も自信をもってお勧めできます。履きやすいし、脱ぎやすい、軽い、折りたたんで持ち歩ける、デザインも色も可愛い。しかもレインブーツを買う事で野鳥の保護に一役買っているって素敵じゃありませんか?この雨の多いバンクーバーにピッタリのブーツです。是非お店に履きに来てください。

洋服を扱う人間として、今後も環境問題に配慮した物作りをしている会社と取引したいと思っています。

オンラインでも商品が見やすく買いやすくなっていますので、是非覗いてみて下さい。

何をするのが好きですか?

食べる事。Surfing。キャンプ。日本のドラマを見る事。掘り出し物を見つける事。

DIY。最近引っ越したばかりなので、自分の部屋に必要なものを作るのが楽しいです。頭で描いたものが形になっていくその工程にとても満足感を得られます。

今後やりたい事はありますか?

Branches&Knotsを続けていきたい。

期間限定だと思って初めた店なので、未完成で手を加えたい所がたくさん。自分の思い描く理想の店に改装したいです。

後は空間をクリエイトすることが好きなので、インテリアデザイナーやスペースクリエーターのような仕事をやってみたいです。

最後にあなたの信条やモットーを教えてください。

人生楽しむ!

笑って暮らす。

笑えなくなったら、その場を去る事も勇気だと思っています。

今は辛楽しい(笑)!何より自分はなんてラッキーなんだと感じています。

Editor’s Comment

「店は私の子供」と直美さんは言います。

手をかけて、大きくしていく。自分の時間を惜しげもなく使って周りの人の手も借りながら育てていく。きついけど、辛いけど、楽しいことも得ることも沢山あってやりがいがある。喜びも苦しみも与えてくれる存在。。。。。って子供やーーーん!!と強く共感。

子供の頃から、リーダー格で何か面白い事を発案したり実行するのが好きだったそう。

周りを動かせる力がる人は、自分が一番に行動する人。

面白いことを探し求めている人は、何か楽しい事がないかと常にアンテナを張っている人。

目をキラキラさせてBranches&Knotsの事を話す直美さんはまさにそんな人。

今回のコロナで8年近く育ててきたものが、なくなってしまうかもしれないと思った時、どんなに辛く、悔しかったか。私の想像を超えています。だから彼女が言う「私はラッキー。」と言う言葉には重みがある。何とか今も進めてるから、この先、人との繋がりを大事にして、助け合いながら進んで行きたいという直美さんの思いを感じます。

Branches&Knotsの前を通ると、季節ごとに変わるウィンドウディスプレイを楽しむ事ができます。毎回素敵で、オーナーの店に対する思いが伝わってくるよう。

いつも笑顔で迎えてくれる直美さん。これからも辛さの中に楽しさを見つけて、Branches&Knotsと一緒にまだまだ成長していくんだと感じました。

Branches&Knots 3128 W Broadway, Vancouver, BC V6K 2H3 Open 12pm。

これからのクリスマスシーズン、CandleやPerfume Roll、Soap,Wood spoon、靴下などなどちょっとしたプレゼントや、セーター、靴、マフラー、ジュエリーなど大切な人へのプレゼントに是非Branches&Knotsに行ってみてください。きっとお気に入りが見つかります。そしてスタッフの方とのおしゃべりも楽しめますよ。💛