カナダで頑張る日本人女性

カナダで頑張る日本人女性 Vol.11 Ayumi Hiyama

カナダの好きなところを教えてください。

いろんな人種の方に出会えることが面白いです。バンクーバーは、自然と都会のバランスが良いところがとても気に入っています。夏は日照時間が長く、放課後近所の海へパドルボードをしに行ったり、冬は子供達を学校へ迎えに行った足でそのままスノーボードをしに山へ行ったりと年間を通して様々なアクティビティーを気軽に楽しむ事ができます。

お父さんが育児に参加しているのが素敵だなと思います。みんなと同じじゃなくても良いことが心地よいです。ここで、日本では出来ないことにチャレンジしていることが楽しいです。

`カナダの色鮮やかな秋が大好きです。

カナダにはいつ、どんなきっかけで来ましたか。

2015年の5月、子供たち2人を連れて夫婦でワ―キングホリデーでバンクーバーに来ました。当時、長女は4歳、次女は1歳でした。

移住前は東京に住んでいたのですが、長女が生後3か月のときに震災にあいました。ビルに住んでいたため、3か月の赤ちゃんを連れてどうやって逃げたらいいんだろうとパニックになりました。ここに留まっていた方が良いのか外に逃げた方が良いのか分からず、結局外に出られませんでした。その後も余震が続く東京から出たいと強く思うようになりました。産後でとても繊細になっていたのだと思うのですが、食べ物や水が放射能の影響を受けているかもしれないことが気になったというのもあります。

今は分かりませんが、当時カナダは夫婦で子連れワーキングホリデーに行ける国でした。夫を1年間説得し続け、渡加するために3年間の準備期間を設け、カナダの移民権を取ることを視野に入れ寿司職人になるためのクラスを取ったりしました。

カナダに住むことで安心して過ごせるようになりました。

バンクーバーに移住後の生活について教えてください。

バンクーバー移住後、新しい事にチャレンジしてみようと主人とお互いの役目を交換する事にしました。私はフルタイムで寿司職人として働き、主人は専業主夫に。私自身は海外に住んだことがあったので海外生活に抵抗はなかったのですが、夫は初めての海外生活の上、誰も知らない中での専業主夫でとてもたいへんだったと思います。

夫は、少し専業主夫をしたおかげで育児の大変さを分かってくれるようになり、とても協力的になってくれたのがとても嬉しいです。逆に私は、大黒柱として働く夫の大変さを理解出来るようになりました。

寿司職人でもあるあゆみさんは、自宅にお友達を招いておもてなしをすることが大好きです。

カナダで働くことについてどう感じますか。

英語でミスしたりすることがあったときは、簡単ではないなと思いました。でも、そういう環境に自分の身を置いて挑戦しなければ分からなかったことなのでとても良い経験になりました。

カナダに住んでいて一番大変だったことを教えてください。

日本とは、病院のシステムが違うのでとても戸惑いました。子供を連れて行った救急で6時間待たされたり。周りに自分たちしかいなくて頼る人たちがいなかったので特に大変でした。でも、おかげで家族の絆が強くなり、お互いに上手く協力し合っているなと感じます。

移住してからは小さなことに感謝するようになり日本にいた時より丁寧な暮らしが出来ていると思います。

家族と過ごす時間が増えた事で毎日が充実しています、海外移住してよかったと心から思います。

Ayumiさんのモットーを教えてください。

「毎日笑って健康に過ごせたらそれでいい。」コロナの影響もあり欲を張らなくなりました。

移住後4年経ってやっと移民ビザも取れたので、ここにずっと住んでいくことを見越して計画出来るようになりました。これまでは、帰ることになったことも考えながら生活していたので、これから本当の意味で落ち着いてここに腰を据えて生活していきたいと考えています。次の目標は、家を買うことです。

娘さんたちと

Ayumiさんは、Lapin et Bonbonというショップをオープンしようと準備しています。Lapin et Bonbonについて教えてください。

パンデミックで何かに集中してないと不安で先が見えなかったので、家にいながら出来る事をしようと思い移民女性のためのオンラインクラスを取りました。そこでビジネスをスタートするための知識を学び、オープンまでサポートしてくれています。

ロゴのうさぎは、実は夫なんです。出産後、急に生活が変わったことで、どんどん塞ぎこんでいってしまいました。夫がそんな私を見かねて、仕事の休憩時間に呼び出して外に連れ出してくれました。その度に、夫はお花やスイーツを買って持ってきてくれたんです。美味しい物を食べたり綺麗なお花を眺めることで徐々に元気を取り戻しました。そんな心遣いをしてくれた夫にとても感謝しています。

フラワーアレンジメントのお仕事をしていた経験を生かし、Lapin et Bonbonではフラワー&焼き菓子のギフトセットを販売予定にしています。夫がしてくれたように、元気を届けられると嬉しいです。

今後は、テーブルセッティングなどを含んだお菓子教室を開いたり、イベントをコーディネートしたりすることが目標です。人を招きもてなすのがとても好きなんです。

Ayumiさんのインスタグラム>>こちら

Ayumiさんが受けたカナダの移民サポートについて教えてください。

移住後、最初に訪れたのはMOSAICです。子供手当、MSP(保健)などについて教えてもらい助かりました。

次に、South Vancouver Family Placeに通いました。移民の人なら誰でも無料で参加できます。英語を習ったり、ペアレンティングのクラスを取ったことがとても役立ちました。ESLのクラス自体は、勉強をするというよりも会話をするという感じで、女性だけのクラスもあるしクラスの間は子供も預けられます。失敗してもいいんだよ、とりあえず話してみようと促してくれます。

ペアレンティングのクラスでは、買い物の話し、病院の行き方、処方箋をもらった時の薬の買い方など、生活に必要なことを教えてくれました。他には、通知表の見方や学校の転校の仕方なども教えてくれたり、VSB話しをしてくれたりします。毎回テーマが違って、BC Hydroの方がいらしたときは、節約の仕方を教えてくれました。

クラスを取っていると色々な情報がもらえます。FoodSafeやRedSealprogramという国家資格取得など、今よりも良い職業に就くために色んな所を紹介、斡旋してくれます。ワーキングホリデー、ワークビザの時にも通っていたのですが、移民になってからは更に親身になってくれるようになりました。カナダで生活をしていく「一歩」の手伝いをしてくれます。Infinity Womenprenerを知ったのも、これがきっかけです。

他にもお菓子をつくったり、とても楽しかったです。子供同士も仲良くなってお友達ができました。国が移民をサポートしてくれていてカナダという国はすごいなと思います。

海外での子育てについてどう感じていますか。

カナダは、仕事は仕事、休日は家族、とめりはりがはっきりしています。仕事が残業もほとんどなく時間になるときっちり帰れるのが良いですよね。

子供たちと歩いていると周りの人達が声をかけてくれたり、ベビーカーを押していたら必要なときには手を貸してくれたり、ベビーカー運んでくれたり、人が本当に優しく子育てしやすいです。気軽にハローと挨拶をしてくれるだけでもなごみますよね。

日本と違って小学校や習い事の送り迎えをしないといけないのは大変だけれど、安全で良いなと思います。

お休みに行くキャンプも大好きです。

子供たちはバンクーバーに移住したことをどのように受け止めていますか。

カナダに来てすぐに長女がキンダーガーテンに入ったときは英語がほとんど出来なかったのですが、本を読んだり自分で努力してくれました。学校で英語を勉強しながら家に帰れば更に日本語も覚えないといけない、余計な苦労をさせて申し訳ないと思いましたが自然とそれを子供たちが受け入れて頑張ってくれました。

今ではカナダの公用語のフランス語も学んでいて子供の適応能力には親の私達が感心しています。

バンクーバーに来たばかりの頃。

海外移住したいしたい方へのアドバイスをお願いします。

あきらめないで。 

私自身も、移民までのプロセスが長くてあきらめたくなりました。先が見えないし、帰ったほうが楽かなと思ったこともあります。移民が取れた今では、カナダの国に感謝しています。カナダという国を選んで良かったです。

絶対にサポートしてくれる場所があります。助けてくれる人がたくさんいます。子供がいると躊躇してしまうと思いますが、行ってしまえばなんとかなります。本当にやりたかったらあきらめないでください。

編集者より

2011年に起きた東日本大震災はたくさんの人達の心に傷を与えました。東京で生後3か月の娘さんと一緒に震災に合ったことで、Ayumiさんの人生を大きく変えました。心豊かに安全に過ごせる街を求めてバンクーバーに移住してきたAyumiさん一家の道のりは決して平坦ではありませんでした。しかし、先域の分からない不安を家族が団結して乗り越えようやく移民権を取ることができました。

今やっと生活が落ち着いて自分のことにようやく目を向けられるようになってきたAyumiさんは、まだまだ自分が本当にしたいことを探っている状態ですと話してくれましたが、自分の思いを形にしようと計画を立て一歩一歩進んでいるところです。旦那様がAyumiさんの力となったように、Ayumiさんが作るブーケとお菓子が不安を抱いたり、落ち込んでいたりしている方たちの元気の源になることを願っています。